病院内のジェネリック状況①

ジェネリック医薬品(以下GE)が普及して、もう聞きなれた方も多いと思います。

今回は院内で使用する薬において、GEに関して書いてみました。

選択権があるのは院外処方だけ

外来診療では現状、患者さんは先発品かGEかを選べることが多い状況ですが、院内で使用する薬剤には選択権がありません。

院外薬局では患者さんにGEの選択権がある場合が多く、個々の希望に応じられるよう同一成分に対し先発品とGEの2種類を配置していることが多いです。

使用頻度や包装単位などによって、先発品かGEだけを置いていることもあるよ

処方箋の形式によっては、先発品かGE指定の場合もあるので、希望に添えないこともあります。

院内で使用している薬においては、通常は発品かGEのどちらかしか採用していないため、その医療機関で採用している薬を使うことになります。

つまり患者さんが先発品またはGEを希望しても、それに応じることはできないということです。

選べる医療機関もあるかもしれないけど・・レアかな

なぜ先発品とGEの両方を採用しないか

先のように、院内で先発品とGE両方採用していないのは通常患者さんに選択権がないためです。

両方採用すると、薬の種類が多くなる➜院内の在庫数↑=在庫金額↑=経費↑、このため経営に直結します。

他の業界と同様に在庫を抱えるほど期限切れリスク、購入金額の増加、管理の煩雑さなど考えると、経営的には在庫は少ないに越したことはないものです。

また、院内では薬剤師だけではなく看護師も薬を扱うため、種類が多いほど間違いの原因にもつながります。

同じ成分の薬があると調剤ミスの原因にもなるので、少ない方が良いのです。

ちなみに同じ薬で10mg、20mgと複数ある場合、使用頻度によって統一できるものはどちらか1種類にすることが多いです。

10mgしかない場合、20mgにするには10mgを2錠使えばいいので。逆の場合は半分にすればOK。

繰り返しですが、院外薬局では先発品とGE両方配置している理由としては、患者さんが選べる状況になっているためです。

もし院外薬局も院内と同じように患者さんに選択権がなければ、先発品とGEを両方配置するケースは今より圧倒的に少ないと考えられます。

運営側にとって経費は少ないに越したことはないので

院内で薬を使用する場合って・・?

外来診療の割合が多く院外処方が多いので、そもそも院内の薬を使う場合ってどういう時?と思われる方もいあるかもしれないので、補足します。

入院で使用する場合

一番イメージできるケースです。

入院している間は院外処方ができないため、院内の薬で対応します。

内服、注射、外用の全剤形です。

ちなみに、【院内で使用できる薬の種類>院外で使用できる薬の種類】となるため、院外処方では使える薬に制限があります。(主に注射剤)

外来で使用する場合

外来でも院外処方以外だけではなく、院内で薬を使用する場合もあります。

主な例として以下があります。

  1. 輸液などの点滴
  2. 処置薬
  3. 抗がん剤治療

1.のケース

体調不良によって輸液1本して帰宅するケースがあります。

また、軽症の肺炎など感染症で外来で抗生剤の注射を1回分して、残りを院外処方で内服するケースもあります。

内服だけで心配、入院するほどでもない場合に1回だけ注射抗生剤投与することがあります。

これらのように注射剤は通常院内で使用するため、病態によって外来のベットで何かしらの注射(点滴)をして帰宅されることもあります。

(在宅栄養注射剤など院外処方でも対応できるケースもありますが)

2.のケース

処置薬としては、傷の処置で消毒剤、湿疹の塗り薬(皮膚科でよくある)、高血圧時の内服、喘息・喘鳴の吸入(ネブライザー)などいろいろあります。

診察時にその場で処置が必要となった場合、院内の薬が使用されるイメージです。

3.のケース

点滴治療の一つですが、最近は外来での抗がん剤治療(化学療法)が多くなっています。

以前は抗がん剤治療は入院して行うレジメン(治療内容)が多かったのですが、最近は入院しなくてもできるようなレジメンが増えています。

点滴時間は30分~半日程度かかるものがあり、治療内容によって様々です。

診察~点滴~会計までほぼ1日かかるケースもあります。

外来も院内処方で対応する場合

平日、日中に対応する場合

多くの医療機関では平日や日中の外来は院外処方で対応していますが、中には院内処方で対応しているところもあります。

院外薬局が進出するまでは、すべて院内処方だったよ。

院内処方の例ではクリニックが多いです。

お会計の時に薬をもらうイメージかな

この場合、多くのクリニックには薬剤師がいないため、看護師または事務員の方が対応します。

また、クリニックより大きい病院でも院内処方を行っているところもあります。

この場合は院内薬剤師が対応しています。

夜間、休日の場合

夜間や休日の場合、通常院外薬局が閉店しているため、院外処方をしている場合でも、その時間は院内処方になります。

ただし、夜間や休日も門前の院外薬局が対応してくれている場合は院外処方になることもあるので、医療機関によって異なります。

次回は

今回はGEに至る背景を書いてみましたが、次回は院内でのGEの使用状況についてアップしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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