軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、MCI(Mild Cognitive Impairment)とも呼ばれます。
〈健常者~MCI~認知症〉
という位置づけです。
認知症の手前の状態ですが、認知症と認めるのが難しい段階です。
もくじ
MCIの定義
MCIの定義としては、
1.本人または家族から記憶障害の訴えがある
2.日常生活動作は正常
3.全般的な認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない
出典:1)今井幸充 認知症を進ませない生活と介護 法研,平成27年,p28~29,p60~61.
上記の定義を前提として、MCIは日常生活には支障がない状態とされています。
MCIを放っておくと
徐々に認知機能が低下していき、5年間で約50%の人が認知症に進行してしまうと言われています。
MCIの段階で回復に向ける重要性
認知症に行く手前で予防などトレーニングをしていくことが重要となり、認知症の発症を遅らすことが可能といわれています。
早期対策ですね
MCI回復トレーニング
回復に向けてのトレーニングに挙げられているものがいくつかあります。
運動
健康の源ですね。
皆それぞれ得意、不得意の分野がありますので、まずは自分が続けられることから始めるのがいいです。
ウオーキングやエクササイズ的な比較的軽いものから初めて、とにかく続けていくことが何よりです。
1日10分でも継続して、徐々に時間や日数を増やして習慣化できれば「目標」ができてきます。
健康といえば運動ありきですな
食事
これまた健康の源です。
特段有用な食事というのは明らかにはなっていませんが、偏りない栄養バランスというのがやはり一番のようですね。
食事内容もそうですが、「家族で食事をとる」といった孤独にならないような配慮も大事だと思います。
食事の時には人数が多いといろいろ会話も出てくるでしょうし、脳が刺激を与えられる状況でもあります。
誰かと話すといろいろ頭を使うことも増えるしね。
社会活動
家族以外の人と関わることも認知機能を維持するトレーニングに必要です。
身近な社会の中の一員である自覚を持てることと、生きがいにもつながります。
家族にはいろいろ自由な発言ができますが、周囲の人にはいろいろ配慮が必要になるので、頭を使うことが多くなります。
人には承認欲求や自尊心というのが無意識に備わっているので。
日常生活のスケジュール把握
自分の日常生活において、計画性を持って行動したり、自分でスケージュールを把握して行動することで脳が刺激を受けます。
通常であれば皆意識しなくてもできることですが、MCIの状態になると意識的に取り組むことで脳が活性していきます。
計画的な行動は一種の脳トレですね
デュアルタスク
デュアルタスクとは2つのことを同時に行う動作のことを言います。
例えば、誰かとウオーキングしながら会話をする、テレビを見ながら夕飯のおかずを考えるなど、同時に行うことで脳が活性化されます。
MCIじゃなくても難しいこともあるけど
家族の支えがあってこそ
ということでMCIについて書いてみましたが、早期発見、早期対策が進行予防に重要ということは他の病気と共通と言えます。
そして、1人では〈対策〉というのが困難な状況になります。
当然支えていく家族の負担もありますので、できることには限界があると思います。
もしMCIや認知症の状態が長く続いて、病状進行がないようなら、本人の努力もありますが、家族の支えもあるのだと常々感じます。
ということで今回はMCIについてでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。