もくじ
認知症は主に4つに分類される
認知症と言えば一言でいうと「物忘れ」ということになりますが、種類は大きく4つに分けられています。それは、
①アルツハイマー型認知症(AD)
②血管性認知症(VaD)
③レビー小体型認知症(DLB)
④前頭側頭型認知症(FTD)
それぞれの病態について今回学んだことをレビューしてみました。
ちなみに、以下は各分類の割合です。
AD、VaD、DLBの3つが大半を占めるんだね。
DLBが全体の20%くらい診られるという報告もあったよ。
①アルツハイマー型認知症(AD)
AD: Alzheimer’s disease
認知症の中でも一番耳にする病名だと思います。
以下特徴です。
・物忘れがあり、一人で日常生活ができなくなってくる。
・脳の萎縮(小さくなる)が見られる。
・萎縮は記憶を担っている海馬という部分から始まり、だんだんと脳全体に広がる。
・萎縮の原因の一つに、脳内にβアミロイドたん白が溜まっていく。
言わば、〈βアミロイドたん白という「一種の脳内のゴミ」が徐々に溜まっていき、脳内の神経細胞がやられて、記憶などに影響してくる。〉といったところでしょう。
〈物忘れ〉の代名詞的な印象かな。
人間は日々細胞が作られ、壊れていきます。
脳内細胞もその一つで、細胞の生死が繰り返されていきますが、何かしらで壊死した細胞の排泄が滞り、溜まっていくことが要因の一つにあります。
②血管性認知症(VaD)
VaD:Vascular dementia
脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症です 。 脳の場所や障害の程度によって、症状が異なります。
以下特徴です。
・手足に麻痺や感覚の障害など神経症状が現れることがある。
・ダメージを受けた場所によっては言語障害などが出る場合もある。
・病状の進行は階段的になり、急に進んだり、不変の時期がある。
病名の通り、脳血管による疾患から認知症に派生した病態です。
傷害を受けた脳血管の周辺の神経細胞がダメ―ジを受けます。脳の画像診断によっても判断されます。
脳梗塞など脳血管病変があれば、その後の動向に注意だね。
③レビー小体型認知症(DLB)
DLB: Dementia of Lewy bodies
パーキンソン病で見られるレビー小体(異常たん白)が脳内に認められ、 パーキンソン病の症状が現れます。
以下特徴です。
・幻視が見られる。
・手足が震える、小刻み歩行などが見られる。(パーキンソン症状)
・睡眠時の異常行動(奇声、暴れるなど)が見られる。
・抑うつ症状が現れることがある。
認知機能が日によって変動したり、記憶障害が目立たない時もあったり、観察としては1点ポイントではなく1週間などある程度のスパンで診ていくことが大事です。
また、歩行障害による転倒のリスクも注意です。
物忘れがないと、パーキンソン病との判断が難しいね。
④ 前頭側頭型認知症(FTD)
FTD: Frontotemporal dementia
かつてはピック病とも呼ばれていました。
脳内の前頭葉や側頭葉にたんぱく質がたまり、組織が萎縮するなどで神経細胞が壊れていき、脳内で行動を抑制する部分が傷つく認知症と言われています。
他の認知症に比べ原因不明が多いとのことです。
以下特徴です。
・怒りっぽくなったり性格が起きる。
・異常行動を伴う。(同じ行動を繰り返す、ルールを無視するなど)
・他の認知症に比べ、50代など若年性の割合が多い。
物忘れとは少し違った症状が顕著になるため、認知症としては認識されるのが難しい病気と言われています。
「性格が変わった」、「こだわりが強くなった」など、病気として周りの人が疑うことも早期発見として大事かもしれません。
周りの環境で性格変わることもあるしね。
性格、行動など変化が著しかったり、周囲への影響が大きくなれば診察を検討してみるのも一つかもしれません。
本人の意向も考えると難しいケースになることもありますが、こういう病状もあるのだと理解しておくこともで大事でしょう。
アルツハイマーの語源は?
アルツハイマー病の語源は、アロイジウス・”アロイス”・アルツハイマーとのことです。(Aloysius “Alois” Alzheimer, 1864年6月14日 – 1915年12月19日)は、ドイツの医学者、精神科医。 )
※ウィキペディアより
このように病名が名医から取られることはよくあります。
また、認知症は dementia と英語表記され、臨床では「ディメンチア」「ディメンツ」と呼ばれることがあります。
今後は周辺症状や 軽度認知障害(MCI) についてもレビューしていこうと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。